2012年04月04日

ラミクタールと鬱

 六月に退院以来11月くらいまでは右肩上がりに調子がよくなり、再就職に向けて、の動きを始めようとした矢先、調子が崩れました。精神的な落ち込みというより、だるさ、眠気、易疲労感、喘息の再発など体調的なものです。
 いずれにしても前に進んで何か仕事を調べたり、とかいう余裕もなく、医師も「いつまでにこうしなくては」とかいう焦りが精神バランスを崩す上、ただでさえ冬季はデプレッシブになりやすい、と言ってくれて、年内は生活ペースの維持と、身体的健康の回復に重点を置き、服飾へのステップは保留、越年してから動こうということになりました。
 
 で今年、ハローワークや職業訓練施設などと連携して紹介者雇用とスキルアップなどを行うところに行き始め、一方で、なかなか一時のように上がってこない調子を何とか、ってことで、ラミクタールという薬が追加になりました。

 これは本来、癲癇の薬のようです。
 しかしごく最近、躁鬱病の、主として維持療法への適用が認められました。新薬ですね。躁鬱の鬱エピソードの再発に特に有効らしく、海外ではすでにひろく用いられているようです。

 僕の場合すでに、さまざまな抗鬱剤があまり校歌が出ないことや、抗鬱剤そのものに、眠気やだるさやぼーっとしてしまうような副作用があることがわかっています。

「ほとんど効果はないかもしれませんが、ごく少量、試してみましょう」
 という話になり、一日一回服用の25mmくらいから始めたところ、変化が出ました。三日目か四日目から、頭の働きのクリアな感じがするようになり、一週間で多弁で活動的になり、一方で攻撃的に人をやりこめる言動が出たり、安定剤を使わないと抑えきれない不安感も出るようになりました。

「ごく少量でも強い効果が出る人がいるようです。でも効いているので、半量(一日置きに一錠)にして様子を見ましょう。次の診察まであれもこれもやろうとして無理をするのは絶対さけて、大人しくしていて下さい。と言われました。
 
 露骨に、薬の効果が自覚できたのは「リタリン」以来ですね。このまま「頭脳明晰な感じと意欲」が高まり、イライラや攻撃性などを抑制できれば、ずいぶん心地よく日々を過ごせるのですが……。 
 
 
 
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2011年07月29日

精神科入院記7 入院四週間 やっとOT始まる

 入院四週間くらいで、軽く階段を一段上った感触がありました。しかしそれでも主治医は、「もう一押し、二押しって感じですかね」と朝夕にパキシルを追加。サインバルタ、レメロン極量の上にです。しかし僕にはTTさんのような、吐き気の副作用はありませんでした。相変わらず便秘で、あともともとあった手の震えがひどくなってきました。どのくらいかと言うと、飲み物をコップにうまく注げないとか、将棋の駒がうまく置けないくらい。入院中はともかく、これでは日常生活にも問題が出ます。主治医は「対策を考える。どういうとき震えがひどくなるかチェックしておいて下さい」とのこと。

 多少調子が上がると、問題になってくるのが「退屈」です。退屈だとつい寝てしまいます。体力も落ちるしメンタル面でもよくないのは当然です。

 主治医の許可が出てから少し時間がかかって(OTセンターが混んでいた、とのこと)、いよいよOT(作業療法)が始まることになりました。

 主として午前中ですが、様々なプログラムがあります。

 個人でやるものだと新聞雑誌に音楽鑑賞、パソコン(ネット無し)、塗り絵、習字、ギターやキーボード演奏、編み物、シュシュ、革細工、陶芸など。

 グループでは、音楽、フィットネス(ヨガやダンベル体操とか週替わり)、カラオケまであります。午後から本格スポーツといってテニスなどもあります。

 センターは九時から開いているのですが、九時十五分くらいからみんなでストレッチ体操をやります。

 僕は何とか午前中眠くてだらだらするサイクルから抜け出したいので、この体操にはほぼ毎日出ることにしました。体を動かして目を覚まさないと、というところです。

 あと、担当の作業療法士さんから勧められて、革細工に挑戦することにしました。牛革を型に合わせて切って、刻印して、彩色、コーティングをして、革紐などで縫い合わせて小物を作ります。

 作業療法士さんがこれを勧めてくれた理由は、例えばPCなど、病気になる前に趣味にしていたものをやると、能力が劣化しているので気分的によくないから、やったことのないようなものがいいから、ということでした。

 結果的にはこれにかなりハマりました。最初しおりキーホルダーからはじめて、財布やキーケース、退院直前には自分で型紙を起こして長財布を作りました。

 OT開始後二週間ぐらいで、まず見学から午後のスポーツにも酸化しはじめました。

 ここらで、ようやく入院したかいがあったと思えるようになりました。

 僕は運動が嫌いなので、ただでさえ気分が重い午前中にウォーキングとか、病気によいとわかっていてもできません。病院には二階部分が塀で囲われたかたちでグラウンドがあり、青空の下でテニスができました。メニューも初心者でも入りやすい感じで、グループでわいわいやって気分が晴れます。もっとも当初は翌日まで疲れが残りましたが……。

 遅れてやってきたプロ野球も開幕しました。本も家人に頼んで、京極夏彦の分厚い本を借りてきてもらいました。いろいろと楽しめることも増えて、前途に希望が持てました。
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2011年07月24日

精神科入院記6 入院三週間〜 おそるべきチャンネル争いとか

 過眠症気味の傾向のある僕は、昼間やる気が全く出ないという鬱の抑制症状以外に、夜の睡眠の質が悪いのではないかという疑いがあるわけです。それで入院三週間時の薬は、予定通り朝サインバルタ三錠、夕レメロン三錠の他、寝る前ロヒプノールと、睡眠の質をよくするとされる抗鬱剤、レスリンが処方されていました。

 ここに至って僕は、生まれて初めて便秘を経験することになります。これまで単剤投与では全く経験がなかったことです。逆に言えばこのくらい薬を投じないと、僕には効果不十分だったのかもしれません。結局腸の動きをよくするとかいう薬と、頓服で液体の便秘薬追加。薬まみれですw

 昼間少しだけ退屈を感じるようになり、親に頼んで本を借りてもらいました。新聞記事で「コミック化」されるなどヒットしている綾辻行人「another」というのが出てると聞いたので。
 あと、プロ野球開幕に備えて、小さなラジオも購入しましたが、これが大変でした。震災の影響でラジオも超品薄だったんですね。展示品処分の3000円のライター型ラジオをやっとの思いで手に入れました。

 最長滞在期間が三ヶ月の病棟とは言え、僕はまだ新参者で、他の患者さんの多くの名前も顔も覚えていないし、チャンネル権を主張できる立場にありません。テレビはホールに一台きりですから、それを考えても、ラジオは必要だったのです。

 入院来から二ヶ月弱くらいまでは、患者同士のチャンネル権争いが熾烈でした。乱闘騒ぎもありました。マジですよ。

 KYさんという、僕より一回りくらい年下の男性は、娑婆では土方だそうで、お腹は少々たるんでいるものの、いいガタイをしています。すぐキレるタイプです。たぶん病気以前にそういう性格なのでしょう。
 この方と、Hさんという、ちょっと年のいった学生さん、といった感じの男性が、合わない。
 KYさんは、「俺が今これ見てるんやんけ」と、他の人の意見を聞かずに見たいものを見る、ちょっと困った人です。
 一方Hさんは、「民主主義じゃないですか」などと理屈を言う。そして強情です。これが合わない。

 一度ボクシングを見たいと、多くの人が思っていたであろう時に、KYさんはドラえもん(笑)を見ると言ってきかない。一方でHさんは、「いい年してドラえもんなんて恥ずかしくないんですか」などと余計なことを言う。
 リモコンの取り合いになってHさん「そんなんやからこんなとこ入れられるんや」KYさん「……お前もやないかい……殺すぞホンマ!」
 ……大立ち回りです。Hさん以前にもトラブルを起こして誰かに殴られて、殴られたのに自分が個室に閉じこめられた経験があるのに、懲りない。

 結局、Hさんは個室封じ込めで、看護師さんの仲裁で、ドラえもんとボクシングを
半分ずつ見ることになりました。
 こちらは長谷川穂積のメインイベントさえ見られればよかったので、それでOKだったわけですが、矢面に立ったHさんは気の毒に見られずじまいです。

 まあこの他、イスが飛んだり、ベッドの柵を振り回して暴れる人がいたり、ちょっと見には普通の人々が、入院しなければならないわけが、だんだんわかるようになってきます。
タグ:精神科 入院
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2011年07月22日

精神科入院記5 入院後一、二週間−話し相手とか

 最初二人部屋で一人きりでしたが、隣から規則的なドン、ドン、という物音がちょくちょく聞こえます。ベッドで拘束されている患者さんがベッドを揺すってるんだろうな、とか想像しました。やはり精神病院だな、と。

 その後二人部屋にもう一方お年寄りが入ってこられて、これはお見舞いの奥様(らしき人)から聞いたのですが、鬱の上にひどい便秘で、意識障害やけいれんが起こって入院になったそうです。大変だな、と思いました。
 病院でお年寄りを見ると自分の老後を考えてしまってますます鬱に、というかぞっとすることがあります。仕事も身よりもなく、次第に知的能力や体力、手足の自由を失っていく……僕には老いには恐怖と苦痛のイメージしかありません。元気なうちに何が何だかわからないような瞬間的な死を迎えたいと思いますが、僕は自殺もできないですね。首吊りだって苦しいし、手首を切れば痛いです。苦痛はご免です。

 一週間くらいで、四人部屋に移りました。このうち二人の方とは長く同室でしたが、もう一方は頻繁に代わりました。空きベッドだったこともあります。

 退屈はしませんでした。しんどくて寝ていれば時間は経ちますしね。ただネット断ち状態で、そっち方面の知人友人の動向が、震災の激甚さがわかるにつれ心配になりましたが、こればかりはどうにもなりません。

 四人部屋の同室者のうち一人は、TTさん。50代のサラリーマンの方で、大手の車会社の方です。もともとは高給取りみたいでした。これがまた触れる、医療費に大きく関係してくるのですが。

 薬を飲めば吐き気や便秘の副作用は出るし、夕方まで布団から出られないし、メシも食えない。家がつぶれる、というような妄想も出てくるということで、一年半以上の休職で、二回目の入院ということでした。
 傷病手当金は切れるし、会社の身分保障自体もあと数ヶ月しか残っておらず、かなり土俵際の感じで大変そうでした。

 薬はレメロンを飲んでいらっしゃいましたが、二錠でも便秘がきつくなるので、減らしてもらったとかいうことでした。
 「寝て薬飲んでだけでようなるもんとも思えんな」とか「何種類も薬出されたらどれが効いてどれが意味ないのかわかりませんね」とか、いろいろ話は通じます。僕は過眠傾向なのですが、TTさんはやはり寝付きが悪く早朝覚醒の傾向で、僕より典型的な鬱っぽかったです。

 もう一方はTKさん(30代後半男性)で、統合失調症でした。当初は統合失調症の陽性症状とはこういうものか、とまざまざと見せつけられる感じでしたが、三ヶ月近く経った頃には、だいぶ落ち着いて、普通の会話が成り立つようになってましたから、ああ、治療は効くんだな、とも思いました。

 とにかく落ち着きがなく、テレビで「何々見ていいですか」と他の患者に聞いてまわりチャンネルを変え、五分も座らずにどこかに消えます。大声での独り言がすこぶる多くて「あいつ絶対ヒットマンや」とか「持ち物が勝手になくなる」とか、妄想を思わせる発言も多々あります。当初はわけのわからない質問をされて困惑気味に答えても結局は一方通行、という感じで会話も成立しませんでした。幸い「Tさんはやさしい」と僕は敵視されませんでしたが、いったん敵視した人はわざわざ側によって「ついて来ないで下さいよ」とか言ったり、なかなか困ります。一番参ったのは夜の独り言で、「もういやや、帰りたい」「この病院こわい、殺される」とか大声で言ったり泣き叫んだり、それが寝入りばなと早朝にやられるものだから、ある程度日が経ってからは、僕と同室の人とで「静かにして下さい」とか言うようにしました。そうすると一応「すいません」と言って黙ってくれますが、五分ともたないこともありまして……なかなか、大変でしたが退屈しませんでした。
タグ:精神科 入院
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2011年07月19日

精神科入院記4 病室や病棟、薬

 僕の入院した病棟には四人部屋が10くらいはあるみたいでした。普通はそっちに入ります。自傷他害のおそれが大きい場合は鍵のかかる個室で、他に観察室とかいうのがナースステーションのすぐわきにありました。発作が起こる危険が高いとか、お年寄りでちょっとしたことが命に関わるとかいう人が入るところのようです。

 僕は入院当日4人部屋が空いていなくて、観察室に一人で入るハメになりました。まあどっちみち慣れてないし、だからどうとは思わなかったですが。

 普通病床には頭床台というのがありますが、精神科のそれはタンスみたいでごっついです。縦長の戸棚の中には鏡も入っています。これは精神科が、四六時中寝間着で過ごすところではなく、昼間は私服に着替えることや、比較的まとまった期間入院する人が多く荷物が多くなりがちだからでしょう。
 ちなみに、テレビや冷蔵庫はありません。電気代とられますが、小型のテレビは持ちこみ可のようです。

 部屋の窓は15センチくらいしか開きません。もちろん自殺防止のためでしょう。

 メシはみんなでホールで食べます。ホールには机イス、大型の液晶テレビ、飲み物の自動販売機、無料の給茶機、雑誌や新聞を置いた棚などがありました。

 以前他の病気で入院した時は、浴室が狭く、順番に時間を切って入らなくてはなりませんでしたが、こちらの病棟の風呂は洗い場が三つに、相応の大きな湯船があって、週三日は湯船有り、残りもシャワー浴は可です。ただし時間は9:30〜11:30とか決められています。

 薬は、各食後や寝る前に、看護師さんが一人一人配り、目の前で飲むことになっています。
 これは、指示通り薬を飲まないケースが多いからでしょう。

 僕の入院開始時の薬は、朝サインバルタ1、夜レメロン(リフレックス)1、頓服で不安イライラ時レキソタンからスタートでした。これを最高量まで漸増するつもりのようです。

 NHKの番組でやってたんですが、欧米では抗鬱剤は単剤投与が基本だそうです。ずっと通っていたクリニックでも、基本はそうでした。補助的にエビリファイを少量加算したくらいです。日本の多剤併用は問題視されているそうです。

 しかしまあ、僕は単剤投与でSSRI以外のほとんど全ての薬を試してダメだったわけですから、まかせるしかないと思いました。

 一方で寝てばかりで薬を飲むだけなら、入院しなくても同じじゃないかとか、どうどうめぐりに考えながら、初日の眠りにつきました。
タグ:精神科 入院
posted by Yozo at 21:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする